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千酒万別キャンペーンとは
日本酒も、人と同じく“千酒万別”
“運命の日本酒”と出会ってほしい。
日本酒や酒蔵にも個性があり、
ひとつとして同じ酒はない。
人も酒も、千差万別。
あなたの“運命の日本酒”と出会ってほしい。

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全国の酒蔵を評価し審査する
「全国新酒鑑評会」「酒類鑑評会」で
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知識を深めよう!

鑑評会ミュージアム

「鑑評会」には、
独立行政法人酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が共催する「全国新酒鑑評会」と
全国の国税局が開催する「酒類鑑評会」の、管轄がことなる
2つの鑑評会があります。

「全国新酒鑑評会」とは

吟醸酒の新酒を鑑定し評価する審査会で、酒質の現状と動向を明らかにするために、明治44年(1911年)から通算94回実施されています。清酒の品質および酒造技術の向上を目的とし、優劣だけでなく優れた点、問題のある点を指摘します。また、公開きき酒会を開催し、清酒に対する認識を深めてもらいます。

鑑評会の流れ

1 準備

前年11月から新酒鑑評会の準備が始まります。予審・決審の審査員(70名を越える)の人選や開催の通知等を行います。

2 受付

4月上旬約1000社、本数にして約16,000本の吟醸酒が研究所に出品されます。これを審査・分析用と公開用に分けて整理します。

3 分析

吟醸酒の香りは、酵母が作る酢酸イソアミル(バナナ様の果実香)やカプロン酸エチル(リンゴ様の果実香)などの成分に由来します。これらの成分量が大きく変動すると審査が難しいため、あらかじめガスクロマトグラフという装置を用いて分析を行い、香気成分量によりグループ分けを行います。

4 審査

審査は、予審(4月下旬)と決審(5月中旬)の2回行われます。予審上位約50%が決審に進み、決審で金賞酒(出品酒の約25%)と入賞酒が決定します。

5 公開

実際に出品酒を見ていただくために、製造技術研究会・公開きき酒会を5月下旬に行います。毎回2,000名前後の方がきき酒に参加されます。また、入賞酒の一覧表及び審査の概況につきましては、当所ホームページ上においても公開しています。

6 報告

6月に、出品していただいた方に審査及び分析の結果(金賞受賞の方には賞状も)をお送りします。出品酒に関する調査結果、審査及び分析結果について解析を行い酒類総合研究所報告に掲載します。

「酒類鑑評会」とは

全国の国税局における
「酒類鑑評会」

全国の国税局では、酒類の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促し、酒類の品質向上を図ることで、酒類業の健全な発達に資することを目的として「酒類鑑評会」を開催しています。

全国新酒鑑評会の
時代変遷

「出展:西谷 尚道 著「全国新酒鑑評会の時代変遷」:醸協、88(6)、439-448(1993)」

清酒鑑評会の生い立ち

1. 地域品評会
 地域単位の清酒品評会は、すでに明治の中頃には開催されていた。すなわち、明治22年に奈良県下で「清酒品評会」が開かれており¹⁾、また、同年、東京では酒類仲買商組合の主催による「清酒品評会」が両国で年2回開催されていた²⁾。
 明治23年には全国11地域——秋田市、山形県(東西田川郡)、新潟県、静岡県(榛名郡)、愛知県(知多郡)、奈良県、京都府、福井市、松江市、淡路島、高知市——で清酒品評会が開催され、それぞれ優等、1等~3等の賞を設け、品質優良な出品酒を表彰した³⁾。

2. 全国品評会⁴⁾
 清酒の全国規模でのコンクール(鑑評会)は、日本醸造協会の主催により、明治40年10月に第1回「全国品評会」が開催され、以来、本品評会は1年おきの秋に開催されて昭和13年までの32年間にわたって継続された。この間、清酒の品質向上はもとより、嗜好のリードの役割も担い続けた。

(1)開催の目的
 本品評会の趣旨は、「社会の進展に伴う国民生活の向上と嗜好の変化に対処すべく、醸造技術の改善及び経営の合理化のために、広く製品を一堂に集め、品評審査して優劣を批判し、品質の向上に備えるとともに嗜好の変化を示して品質の方向づけをし、業界の発展に資する」ためとうたわれた。
(2)出品状況
 本品評会の上記趣旨に賛同する全国の酒造メーカーから多数の応募出品があり、第1回の2,138点に始まり、最高は第14回(昭和9年)の5,169点という盛況な出品状況であった(第1表)。
(3)審査基準
 本品評会の審査基準は、色沢30点、香り35点、味35点(合計100点満点)の配点であった。なお、合計点が50点以上の出品酒については化学分析を実施し、防腐剤を含有する場合は減点された。
(4)入賞状況
 本品評会の入賞状況は、優等5点(出品酒に対する割合0.2%)、1等48点(2.3%)、2等120点(5.6%)、3等528点(24.7%)の合計701点(入賞率32.8%)の優良酒が選出された。

3. 全国新酒鑑評会
 全国品評会が1年おきの秋に開催されていたのに対して、醸造試験所では明治44年から毎年の春に新酒を対象とした「全国新酒鑑評会」を開催し、年度ごとの品質の動向と成分内容を把握することに努めてきた。
 本鑑評会は、戦中の昭和20年に一度中止しただけで今日まで続けられ、平成5年春で第82回を迎えることとなった。
 本鑑評会の開催内容は第3表に示すように変遷した。
 前記の全国品評会が昭和25年以降行われなくなってからは、全国規模で品質を比較・鑑評する唯一の場として、清酒製造業界ばかりでなく酒販業界や愛飲家の方々からも熱い注目を浴びている。蛇足ながら本鑑評会には醸造試験所で毎年の研究のため、あるいは学習のために試験醸造された吟醸酒を出品して、品質レベルのチェックを行っている。いささか手前ミソながら、過去の戦績の一端を紹介すると、まず明治40年開催の第1回全国品評会では、試験醸造5点を出品し、優等1点、1等3点、2等1点の成績であり、当時の入賞率(2項(4)参照)から判断して非常に高水準の品質であったことが伺える。また、醸造試験所て試験醸造した吟醸酒の全国新酒鑑評会における成績は、最近11年問に9回の「金賞」入賞を果たしており、この実績は当試験所の大いなる名誉であるとともに今後の研究を進展するうえの確固たる自信にもつながっている。

第1表 全国清酒品評会の開催内容の変遷

第3表 全国新酒鑑評会の開催内容の変遷

参考図書
1)醸造雑誌,第54号(明治23年),東海書館
2)高木藤夫,高木文雄,沢 和哉:酒蔵の町・新川ものがたり――高木藤七小伝,p.280~298(平成3年)清文社
3)醸造雑誌,第220号(明治29年),東海書館
4)日本醸造協会(編):日本醸造協会70年史,p.144~148(昭和50年)
5)国税庁醸造試験所(編):醸造試験所70年史,p.15~16,p.57~58(昭和49年)